■平成
■16
■原告
原告代表者は被告に対し,同月1日に確認した契約書案を一部変更して欲し いと申し出た。
変更内容は,?仮契約とすること,?本契約を同月30日に 締結すること,?イニシャルペイメント1000万円を同日支払うこと,以 上3点である。
原告代表者は,??の変更に伴い,「仮契約のままでイニシ ャルペイメント1000万円を被告に支払っていないから,被告が原告以外 の者と契約をして先を越されると困るから,被告に第5条の独占権を 守ってもらうため,少しずつ分割してでも早く支払いたい」旨述べた。
そこ で,原告と被告は,仮契約中の原告の営業活動により企業先と取引が成立し た場合に原告が受け取る報酬の額を,その時点でイニシャルペイメントとし て分割で支払われている金額を基準に計算すること,具体的には,5月30 日に支払われるイニシャルペイメント1000万円の分割入金を内金として 扱い,6分割のスライドした報酬率を採用し,別表1・2として作成するこ とを合意し,被告が新しく別表を作成することにした。
そして,同月12日 に三洋電機応接室で乙4仮契約書に調印したが,これに添付すべき別表1・ 2の作成が時間的に間に合わず,その日は口頭で釈明したところ,同月14 日に原告から乙5メールで別表1・2を添付するよう催促を受け,同月15 日に調印した乙7仮契約書には別表1・2を添付した。
また,同月25日に - 6 - 調印した本件業務代行契約書にも同じ別表1・2を添付した。
原告は,仮にイニシャルペイメントの支払約束がなされていたとしても, 同約束は,平成16年7月30日に原告・被告間でなされた同契約を終了す る旨の合意により失効した旨主張するが,一旦発生した債権が,その発生原 因である契約が終了したからといって当然に消滅するものでないことは明ら かである。
(イ) イニシャルペイメントの性質について,被告が原告に対し,「被告から 原告に対して支払われるロイヤリティーの掛け率を加算するために原告から 被告に対して契約時に支払われる投資金にすぎない」旨の説明をしたことは 認める。
しかし,それは,2条のイニシャルペイメントについてであって, 本件イニシャルペイメントについてではない。
原告は,原告は被告に対しイニシャルペイメントとして別途支払わない旨 を申し渡したと主張するが,否認する。
(ウ) 原告は,本件業務代行契約書の「契約締結後1か月後にイニシャルペイ メントとして1000万円支払う」旨の記載を,保証金残金のことであると 理解していたと主張するが,本件業務代行契約書の記載上,原告が被告に対 し,?保証金2000万円のうち1000万円を本件業務代行契約締結時に 支払うこと(第4条),?本件イニシャルペイメント1000万円を平成1 6年7月30日限り支払うこと(特記事項(2)),?保証金残金1000万円 を平成16年7月30日限り支払うこと(特記事項(3))は,明白すぎるほ ど明白である。
なお,本件業務代行契約は,二度にわたる仮契約(乙4,7)を経て締結 された。
この変遷の核心は,開発費,イニシャルペイメント及び保証金の, 文言及び文言に伴う法的性質の変更にあり,これらの変更は,主に原告主導 の下でなされた(乙5,6)。
したがって,イニシャルペイメントの趣旨に 関して,原告が2条のイニシャルペイメントと本件イニシャルペイメントと - 7 - を混同していたとしても,それは専ら原告の不注意によるものというべきで ある。
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イ原告の主張(2)(他の会社との契約締結)について 原告は,本件業務代行契約締結前に被告は既に多数の会社との間で本件業務 代行契約と同様の契約を成立させていた旨主張するが,否認する。
被告も,被告が経営する株式会社ソルトレーク(以下「ソルトレーク社」と いう。
)も,現在に至るまで本件業務代行契約の趣旨を忠実に尊重し,他の誰 とも本件業務代行契約と同様の契約は締結していない。
原告が,上記主張の根 拠として示している甲第4号証は,将来の構想として,しかも本件業務代行契 約とは別個の事業に関して,被告が原告らに示した書類である(甲7の2)。
ウ原告の主張(3)(業務の特定と特許権等の開示)について 原告は,原告代表者から被告に対し原告が代行する業務を特定し,かつ,そ の業務に関し被告が有する工業所有権等について開示するよう求めてきたが, 被告はこれに応じようとしなかった旨主張するが,否認する。
被告は,原告が代行する業務を特定しており,原告代表者も,原告が代行す べき業務を十分認識していた。
また,被告は,技術開発計画書を原告に提出す るなどして,被告の有する技術に関するノウハウ等を開示している。
エ原告の主張(4)(別件訴訟での被告供述)について 原告は,原告・被告間での別件訴訟(大阪地方裁判所平成16年(ワ)第13 057号事件)における被告本人尋問において,被告は「本件業務代行契約に 基づくイニシャルペイメント支払請求権は,本件業務代行契約を終了する旨の 原告・被告間の合意により失効したこと」を認める供述をしている旨主張する。
しかし,同供述の趣旨は,原告が,本件業務代行契約締結に至るまで仮契約を 含め再三理屈を付けて支払条件を変更した経緯があることや,原告が平成16 年7月30日支払期限の本件イニシャルペイメント1000万円及び保証金残 金1000万円の合計2000万円を支払わなかったことから,このような原 - 8 - 告からは,この2000万円はもらえない,との思いで「はい」と返事をした ものであり,本件業務代行契約による請求権を放棄したものではない。
(被控訴人の主張) ア石綿の危険性に関する社会状況と被控訴人の予見可能性 (ア) 我が国において,石綿による被害は1960年代から石綿取扱労働者及 び家族に発生することが報告されたが,法律による対処が行われるように なったのは,昭和50年代になってからであった。
すなわち,昭和50年 に特化則が改正され,石綿を吹き付けることが原則として禁止されること となった。
(イ) 昭和62年ころ,学校の校舎に吹き付けられた石綿の「除去」が社会問 題となったが,この当時の一般人の認識は吹き付けられた石綿を除去する 際に発生する粉じんにより「がん」が発生するといったものであり,吹き - 19 - 付けられた石綿の存在そのものに対する危険性の認識はほとんどなかった。
昭和63年2月1日に厚生省が石綿に関して「使用禁止」との通知を出 しているが,これもすでに吹き付けられた石綿についての危険性や管理に ついての注意ではない。
(ウ) 特化則は,石綿等の化学物質等の取扱等についての定めであり,石綿に ついては粉じんの発生をその管理対象として規定がなされたものである。
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